使魂手記(14)

年月日

 癸卯の今年の二月始めの頃、孫二人を連れて出神して海宮界にと入った。小童君にご挨拶をし、私たちは玉奨(玉の飲み物)三杯を賜わり、同時にこれをそれぞれ服用した。以前は金丹・仙丹であっだが、去年からであろうか、玉奨にと変わっていた。

 そこで小童君に龍飛・龍徳仙君にお会いしたいと申すと、すぐに海岸となり、龍飛・龍徳の二仙がおられて、ごあいさつを申しあげた。孫たちにこの二仙をご紹介いたしたかったのであった。

 分かれる時にお二人は上昇して飛び去ろうとしたが、私たちも上昇してから別れようとしたが、孫二人は小学生の若さで自分で出神・飛行出来るのを見て、龍飛龍徳の二仙は非常にビックリしておられた。

 異境備忘録・幽界記合収によれば、大綿津見神おおわだつみのかみの中にて海境かいきょう大英傑だいえいけつしょうまつりて御姉おんあね龍飛様りゅうひさま御弟おんおとうと龍徳様りゅうとくさまと申して、御二柱おんふたはしら神共かみともに海境にてすぐたまえる御方おかたにて、龍飛様は御歳おんとしの頃、十六七歳ばかり御容貌ごようぼうにて、実に御面貌の美しき事比類ひるいなし。龍徳様は御歳おんとしごろ十五歳ばかりにしてかおは白きこと雪の如し。