少林気功入門記

 私が外丹功の後、本格的に習った気功は少林気功であり、約三十年位前の話である。
 その館(道場の事)は台北市天水路三十九号の地下にあった。当時は今と違い夜となると円環には料理店が並んで営業していた。また、円環を境として重慶北路一丁目の道路の左右には衣類などを売る夜店があり、民生西路を越えると、道の両側には食事の出来る小吃店が多くあった。円環より寧夏路より民生西路に到る道の左側には小吃店が並び、右側には小物などを売る店が並んでいた。現在では夜店は円環にある建成分局の警察署の横の寧夏路より民生西路にかけて、西路より東に少し行った所にあるのみであり、昔の活気は無くなった。天水路はこの円環の近くにあり、当時はよくここらの夜店に食べに行ったものである。

 少林気功の館は「正心館」と申し、「正心精気、-気功法、随心所欲、気貫全身、去病延年、自衛、使尓終身受用不尽。強腎法、仏家守精功、道家強精功、使尓事業成功、家庭幸福、効果保証。本館七日(土曜日)八日(日曜日)晩七時半、無料で正心気功・修持法の説明会を行ない、道家強腎法をお教えします」とあったので参加した。  その館には館長と教練と受付の女の子及び外省人の針灸の人などがいた。無料のせいか沢山の人が来ていた。正心気功の説明の後、道家強精功の説明となり、具体的に一人一人その動作が正しいか教練(指導員)が見にきた。私が日本人であると分かると親身になってきた。彼は周氏と申し、親日家で年は私より少し下であった。小さい頃はよく宮本武蔵などの日本の時代小説などを読みふけり、棒・剣を振り回し、悪ガキであり何回も警察のお世話になった事があったとか。その夜すぐに入門した次第であり、数ヵ月はこの道場に習い通いつめた。
 この気功は話によると北派の物であり、館長と教練の周氏とは友人同士であり、外省人について習った。その先生は国民党の情報部、要するにスパイ活動をしていた人であり、隠身術(忍者のように物に隠れるのではなく、透明人間になる)、そして壁をイモリのようによじ登る特技を買われてスパイとなった。その後この師は所在が不明であるとの事であった。

 この少林気功の功法は鼻で息を吸い、その吸う時に鼻で音を立てながら早く吸い、吐く時には口でハアッと音をたてながら手に力を入れて行なう。目を閉じて手は拳にして虎口を足につけて、吸って足を左に一歩、吐いて手を開く。吸って前方肩幅位の高さまで手をあげ、そして吐く。この姿勢で呼吸を行なう。すばやく吸うのは顔に気を送るためである。
 次に目を開き少し腰を落として拳を握り、口を大きく開けて喉に力をこめて呼吸法を行なう。これは鉄喉功の修練であり、喉に鉄の棒を当てて折り曲げる。そして鉄指功に入り、次が全身羅漢功であり、手を交差させ横に開く、内から外へ吸い、吐きながら手を外から内へと半円を描き全身に力をこめる。鉄手功、鉄背功、鉄脚功があり、それぞれ丹田で発生させた気-内勁-をそれぞれの箇所や全身に送り、全身に気を満たして気のバリアを作るのである。

 占いの陳先生の所にも毎日昼に通い詰めた。当時はたしか台北より桃園へと移り住んでおられた。桃園へは台北より直達車のバスで行くのであり、台北駅より出ていた。桃園には桃園行きと中歴行きの両方に乗れた。中歴は桃園を通り更に行くからである。桃園は中国語では桃は「タオ」で、園は「イエン」であるが通じなかった。現地では桃園は「トウ、イエン」と発音するのである。台北よりバスで約一時間数十分であり、当時は台湾には高速道路はなかった。現在でも桃園行きの直達車もあり、また高速道路を使っての桃園行きの中興號のバスもある。

 日本に帰ってからも周氏とは連絡を取り合っていたが、次の年にまた台湾に行った折り、彼等の道場はすでに閉鎖しており、彼は復興南路にあった気功館にいた。これらの気功館では主に団体のお客を集めて硬気功の中国功夫を見せ、そして漢方の薬を売るといった具合であった。
 私に会うと彼は私にこの派の少林気功の奥伝である「丹田養気功」を伝授した。なぜあの時に教えなかったと聞くと、これは道場でも教えなかったものであり、我々でも師について習った時には、動である少林気功だけを三年間ずーっとやらされ、三年経ってからこの静である丹田養気功を習う事が出来たと言っていた。この気功は全然力を入れず、ゆっくりと呼吸しながら主に手を動かすものであり、順序としては動の気功をやってから次にこの静の気功をやるものである。
 彼が言うには、「皆は健康のために仙学の静座をしているが、このように最初から座ってやっても大した気、熱気は発生しない。だから我々は最初に動の気功をやり、全身に気を満たしてから次に丹田養気功をやるのだ」とのことであった。実際に動の気功をやるとすぐにその力がついたが、やらなくなるとその力はすぐに無くなった。しかし、この養気功と配合してからは全然気の質も違ってきた。丹田養気功をやるとすぐに手はビリビリとし、丹田には強い熱気が発生したのであった。尚、これらの功法は動・静の気功共に立って行うものである。

◆補足◆ 玄武門

正心館が閉じて数年後、武当の玄武門という門派が正心館の気功を教えていた。
その当時の玄武門の説明資料を参考までに掲載する。内容は正心館のものとほぼ同じである。

武當玄武門精氣法内容傅授説明

,「玄武門精氣法」是我國道家不外傳秘笈的武功,如童子功(守精功),氣功(鐵嘴功,鐵背功)等,又結合儒,釋各家的靜坐,禪足,心齋及本門導引,吐納諸詮眞修持的方法。更參以現代西醫學形體組織生理,中國傳統醫學的「經絡」氣化内景生理,併合國術運動練習。
所以它是人人修持道功的捷徑,而不外傳的秘術妙法故為本門傳授獨有的「精氣法」,使研習的人受益鴻大。

,練本「玄武門精氣法」的方法簡單易學,不受時間與場地的限制,即是配合一些「動」與「靜」或「動靜合一」的運氣方法練習,不傷氣費力,又無瘀傷暗傷的危害。
「玄武精氣法運動,主要在緞練人身筋骨和肌肉的内勁,及調攝人體本有的「精」化為「氣」,再練「氣」化為「神」,更練「神」還做「虚」,以致於達到至誠與靜篤的境地,然後身心調和統一,心腦空靈,體健身強了。人身練存有了這「精氣神」三種寶氣,想學醫與藥的人,可以洞悉華扁相神農的醫術;求佛與仙的人,可以逕窺老莊同釋迦的道功。更有研究學問的人璿哲,做文學藝術的人智慧,學百般工藝的人敏巧超群,練國術舞蹈的人健美出衆。

,研究國術的人,果能練會「玄武門精氣法」,再學任何門派功夫都容易精純,也更易通曉儒佛醫道的學理。故本法在基本練習上應為一法,並無招式的紛雜,但因有人願望不同,例如‥有欲求强健體魄,或要專門學會技能,本門此加强「氣功法」
指導練習,有人願望强身保健和袪病,本門特別加强「强身法」指導練習。更為便虛弱體質人研學達到「竅要氣脈」通暢和捷效,特輔助供以緘或藥調氣補身,而不另取費。關於研習「氣功法」或「强身法」的效應說明如下:

(一)練玄武門精氣「强身(精)去」:禁忌房事半個月。練習周身貫氣,不怕打擊。
氣運至身體何部,卽曾增强該部功力能量,像男士帥多種不能症,及偉男子媿惡病 ,都恢復的効應。凡男性生理萎弱,興戰早洩,或雲雨不得適時施降,習本法後很快達到癒好的願望。繼續練習,保證使靑少年人智慧增强,學業進步,熱情活潑;
壯年人精神充沛,意志堅强;老年人增强龍馬精神,有如靑年一般。一旦臨陣「興陽行雨」,施多施少,或洩或攝,要動要靜,能戰能郤,都可隨心所欲,控制自如。
還可以採陰補陽(非世俗所說採戰的意思,而是歛氣攝精,使精氣返還體裹,給腺體組織分泌正常,臟腑功能和體力强固,這種功效同修持一樣,諸多難醫疾症不藥自癒)男女藉遂人道之樂除治疾病呢!

(二)練玄武門精氣「氣功法」:練氣貫通周身,不畏强撃,久之皮膚還能不怕開水潑燙。學友在短期裹就曾練成「鐵背功」,躺臥碎玻璃上不傷肌膚。;練成「鐵脚功」,可以踩踏刀刃上行走,練成「鐵喉功」,可以項彎鋼筋,練氣在頭,頭可以撞碎磚瓦,並使腦靈,耳聰,目明。練氣在手,直接以手可以握持刀口,劈磚破木;
間接用紙可以切斷筷子或竹竿等。以上這些功夫,只要勭加練習,每位研習的人都會學會的。

,本門為方便各界人士・學習,特別分三種班別面授(另詳說明)及函授班研學規定:
(一)參加研習資格:除「强身法」限男性以外,凡靑少年以上年齡,不分中外人士性別,均可參加練習。
(二)研習期間:基礎班全期二個月,結業後仍可來本門練習。
(三)傳授時間:面授分為日間和晚間班練習,每週來舘傳授兩次學課另定時間台班講授。函授班集訓日期另行通知(約在每個月第二第四星期日集訓)。
(四)成績考査:兩個月最後星期日晩間,定期擧行練習成果觀摩測驗,促進學習,本門特別著情加强學友的個別練習指導,使其成績進歩。
(五)每個月第二第四星期日晚間同時歡迎愛好武道先進與同道蒞臨指導,獎勵後進,共同發揚固有文化,推行運動。

武當玄武門廿三代掌門人 啓

武當玄武門精氣法傳授課程內容及練習時間輪次表

甲,玄武門精氣氣功課程內容
第一星期:
 一,起手式:導氣,引氣。
 二,頭部運氣(包括鐵嘴功):腦,眼,耳,鼻,口,齒,舌等練習。)。
 三,鐵喉功,:由丹田貫氣至氣管,食道,喉部等運動。
 四,佛家守精功(A)。

第二星期:
 一,胸部運動:胸部引氣與丹田貫氣台併運動。
 二,鐵臂功練習。
 三,鐵腹功練習。
 四,丹田提氣練習。
 五,掌部運氣:拇指,小指,手中央肌練習。
 六,佛家守精功(A)練習。

第三星期:
 一,掌部運氣貫入於胸及丹田運氣練習。
 二,鐵背功,鐵腹功分解動作練習(呼吸式)。
 三,佛冢精功曲(B)。

第四星期:
 一,鐵腹功:引氣入胸,貫氣至丹田。
 二,道冢守精功(A)。
 三,佛冢守精功(B)練習

第五星期:
 一,掌功練習:由丹田提氣貫手‘與鐵喉功配合練習。
 二,鐵喉功分解動作練習。
 三,道家守精功(B)。
 四,佛冢守精功(C)。

第六星期:
 一,全身貫氣運動(羅漢式):由丹田提氣,氣貫全身。
 二,鐵腹功,鐵背功練習(腹式呼吸)。
 三,道家守精功(A)(B)練習。四,佛家守精功(C)練習。

第七星期:
 一,玄武門精氣收式。
 二,鐵手功練習(呼吸式及腹式呼吸)。
 三,運動預備式練習。
 四,佛冢守精功(D)。
 四,解剖生理及經絡生理與氣功關係講解。

第八星期:
 一,玄武門精氣法,道家,佛家守精功練習法講解。
 二,學員示範鐵喉功,鐵背功功夫(保證每一學員學會為合格)。
 三,基礎班結業(二個月)。

第九星期:
 武當伏虎拳,鐵砂掌,鐵布衫,吐納……等功夫,由學員選修課目練習(依照每一學員性向,練功能力,以及學員可能來舘練習之時間,編入高級班(第三個月研習適合個人興趣與能力及體力各種項目之氣功功夫),期間為四個月。
 以後進修班,研究班不另收費,每一學員不受時間限制,仍可來舘參加研究,永為本舘學友。

乙,玄武門精氣級氣功功夫輸次班別及練習時間表

班本期開輪次星期日期上課時間備註
上午下午晩間
一,三7:00~8:002:00~3:006:00~7:007:30~8:30一,随到随練
二,任選上課日
二,四7:00~8:002:00~3:006:00~7:007:30~8:30
五,六7:00~8:002:00~3:006:00~7:007:30~8:30
10:00~12:002:00~3:00

附註說明:
一,練習玄武門精氣法有病袪病,無病强身,保證於短期內即見功效,並在二個月期中學會三項功夫,繼之練習,其他所有須要較長時間練習之各種功夫也都會學會的。
二,學會功夫自能强身,强身見有功效,必定學會表演功夫。
三,白天班報名繳費者,即可參加練習,並可自由選擇日期來舘授課。
四,遠道和無法到舘練習學員,本門設函授班,並且在每個月第二第四星期日擧行集訓使函授學員更瞭解更詳細本氣功。
五,面授基礎班一切學雜費全期共收新台幣陸仟元正。
六,函授基礎班一切學雜費全期共收新台幣參仟陸佰元正(不含集訓費用)。
七,保證學會,不會退費。

武當玄武門廿三代掌門人 啓