八卦盤による霊的防御1(会員G)

 昨年、紫微斗数で病気になる象意が出た年の事である。その年の途中から身体に異変が起きはじめた。それは首に安物のネックレスをしていたが、その周辺に赤い湿疹ができ、金属アレルギーの症状を呈したのである。その後、日を重ねるごとに患部は全身へと転移し、両脇、背中、腰部、頸部、四肢へと瞬く間に拡がり、悪化の一途を辿る事となった。

 病状は患部が赤く腫れて熱を帯び、激烈な痒みを伴う為、皮膚を掻きむしってしまうのである。当然、表皮は破れて血液とリンパ液が滲み出し、衣類、布団と、皮膚に触れるものを汚す。また、全身が引っ掻き傷だらけなので入浴が最も辛く、傷口に水が染みて痛い。もともと風呂好きだったが、仕方無く辛抱して入るという具合である。この風呂の折りなど自分の全身を鏡で見る度に、赤黒く変色し、皮膚がめくれ上がってミイラみたいになった身体は到底受け入れ難く、陰欝な気持ちになったものである。

 この後も一向に良くなる気配が無いので、医者へ出向くことにした。診察室で服を脱ぎ診てもらうと、俄かに医者の顔色は曇り、坤くような小声で「アー」と漏らすのが耳に聞こえたので、漸く自分のおかれている状態を理解するに至った。

 診断はアトピー性皮膚炎、アレルギー疾患の一つである。(アトピーとは、奇妙な、不可解な、などの意味。現在、日本国民の一割、一千万人以上いるといわれ、増加傾向にある)。この病気は難儀な事に決定的な治療法はなく、通常、ステロイド軟膏痒みどめの薬、内服薬を使用するが、これらの薬を使うと不思議なほど一気に快方に向かい、軽度の人はこれで治る。しかし、投薬を中断すると悪化するケースも少なくなく、こうなると治療は長期化し、泥沼化するものもいる。まことに厄介な疾患である。

 結局、これらの薬で治療することにしたが、なるほど全身の皮膚が嘘のように元どおりになっていく、が、しかし薬はいずれ断たなければならないので、医者の言うとおり用量を減らしてみる、するとまた悪くなる。そしてまた使う。というような悪循環を繰り返しているうちにリバウンドが激しくなってきて、薬を中断すると以前にも増して加速度的にアレルギーが進行しだしたのである。禁断症状は何と言っても激しい痒み、昼夜を問わず全身を掻きむしる。24時間じゅう手が休まる事はなく、握力が増した感じがする程である。

 こうなると医者は、「治療法が満足に確立していない疾患のため、気の毒だが、完治は難しい。ひょっとすると一生…」などと心許ない返事。この日はさすがに落胆して帰り、悶々と日々を過ごすことになった。

 そこで、薬に頼ってもあの結果ならばと、覚悟を決め、以後、薬は全く使わず自然治癒力に賭けることにしたので、当然病状は進行の一途を辿り、約半年間まともに熟睡したことは無く、仮眠の日々を重ねることになったのである。
 この状態に陥ってからというもの、連日アレルギーの本を読みあさり、民間療法や整体などいろいろ試みたが、期待した程の効果は得られなかった この頃のある夜の出来事を一つ話しておきたい。それは、いつにも増して酷い痒みに襲われ、呼吸も苦しくて目が覚めた。気がおかしくなりそうになりながら、忙しく全身を掻きむしっていた時の事である。”困った時の神頼み”とばかりに、痛痒に苛まれながら神前に立ち、何等かの方策をうかがってみた。すると脳裏に”温かくする”のが良いような思いが浮かんだのである。

 しかし過去、暖かかった日や、熱めの風呂で難渋した経験も数多かったので躊躇したが、御教示下されたのかも知れないと信じ、春先の薄布団の時期であったが冬の布団を持ち出し、くるまって寝てみた。不思議なことに、この日はお蔭を頂いて久し振りに朝まで熟睡することが出来た(以後、この様にして温めるとやや楽になった)。

 こんな出来事があって、信心に疎かになっていたことも考えさせられたりもしたので、今一度、お道の信心に立ち返ってみて何か思い当たることはと回想してみたところ、竹川先生が以前に近隣の家屋の形状如何に因って、家運や健康に意外な影響が及ぶ事を話して下さった事があったのを思い出した。
 私の隣家はもう何年も前に取り壊された後、新しい倉庫が建った。その屋根の形状はW状にギザギザと連なり、我が家と同じ長さで20mにわたってこちらに面し、その上、部屋の窓の高さと一致している。(窓の縁の高さでなく、中央に位置している)。

 この事を竹川先生に相談してみたところ、”大凶”とのご返事。すぐさま処置を講じていただいた。その方法は八卦盤(牌)による煞気の防御。八卦盤(牌)は、八角形で八卦の図形が彫刻され、黄色地に黒の八卦、中央に凸面鏡が埋め込まれていて鮮やかで、と言うより、かなり派手である、人目をひく。裏には御符が貼られ、風水十神力の複合した力により霊的防御網を張るというもの。それを隣家の屋根に対面して壁に掛けると、ギザギザ屋根がその鏡に写り邪気を払う。

 効果の程はというと、徐々に傷口が塞がり始めたのである。病巣は長期にわたって深部に至っているせいか、回復は一気という訳にはいかないが、日を追うごとに少しずつ良くなっていった。痒みは現在でも多少あるものの出血は殆ど無く、入浴は毎日欠かさず、熟睡しない日は無いので誠に有難い。
 最後に、竹川先生には御神縁を頂き、此の度の件のみならず、幾度と無く施術下さり、それぞれに霊験を被ることが出来ました事、お礼申し上げます。