六甲壇修練体験記(会員B)

 茅山法術の六甲六丁の神将を呼び出して、諸々の神通力を駆使するために道師が、まず初めに着手するための修練であります。中国の講談で、「平妖伝」に詳しく神将を召して法力を得る話が出ていますが、実際に行う式次第も実際のものと大体同じものが紹介されています。

 まず、開始前の十二日間から斎戒沐浴を行い、実際の修練に入るための準備を行います。
 十二日間の準備期問が終わったら、儀式に入ります。まず、雷驚戒尺で壇をバーンと叩き、初日は符を書いて六甲六丁の神将を呼び寄せるための準備をします。
 次に呪を念じながら法鈴を鳴らします。うまく集中しているときはこれだけでも下腹から脊椎、霊台にかけてカーッと体の内部から熱くなってきます。

 そして天地が分かれる以前の混沌とした様を瞑想します。最初はそれほどでもないのですが、私の場合は行が進むにつれて雑念というか、自分の潜在意識のゴミのようなものが次から次へと湧いてきました。瞑想などをやっていたときはあまり雑念など出なかったのですか、これはただの雑念というより、一種の神憑り的な状態に入ったのではないかと感じられました。

 二週間目あたりからそういう状態に入ったのですか、日常の意識も以前と少し違っていて、ものを思うというより、念じるとか執念とかいうニュアンスの精神状態になってきました。
 また、神将を呼び出すために歩法を行って念じていると初日は霊動が起こりました。二週間くらいして、目の錯覚かと思いましたが、白い人型のモヤが見えたり白い光のようなものがスッと流れ星のようにに壇を横切ったりしました。気配も感じられますが、幽霊とも人とも違う感じがします。歩法を歩き終わった時点で自分の体の周囲にあるエネルギーの場ができます。

 熱気が五メートル四方に放射しているのか、それとも神将方からエネルギーを頂いているのかわかりませんが、とにかく自分自身の気の力がとても強くなってきたように思えます。
 また、神打の方も益々、精妙になってきました。九九神功も短期間で重量がアップしてきました。
 そして、最後の四十九日目の晩は更に強いエネルギーを感じつつ、今後の私の武術や大願のご加護を願いつつ壇を離れました。

 やってみた結果、神将の姿を見ることはできませんでした。自分はそれほど霊感が強いというわけではないので、成功したかどうか不安がありました。終わった直後は気が高ぶっていたというか、軽い興奮状態でした。また、ある種の充実感も感じられました。次の日もそういう精神状態で会社に行きました。

 そうすると隣の席の霊感が強くて幽霊などが頻繁に見えたりする女の子が、今日のあなたはいつもと違う。何かに取り憑かれているように見えて恐ろしいと言ってきました。それで何が見えるかと聞いたら、幽霊とかじゃなくて赤い鬼と緑色をしたヌルッとした感じの妖怪のようなものが背後に視えると言っていました。

 何か変なものが憑いたのではないかと思いましたがイヤな感じがするわけではないので、もしかしたら日本なので安倍晴明のような式神か、役小角の前鬼と後鬼みたいなものかもしれないと思いました。

 二日後に竹川先生のお宅に伺って視て頂くと、修練は成功していて神将がついていてくれていると聞いてとても嬉しかったものでした。会社の女の子が視た鬼のことを聞くと、武将の神は異形の相で恐ろしい顔をしているということであります。神将はむやみに呼び出すものではなく、緊急の際にのみ呼び出すというのが掟ということです。  神将の姿を視るためには、頭頂のチャクラが或る程度目覚めていないと無理ということなので今後、一層クンダリーニ仙道の修練に励みたいと思います。

 一応、六甲壇が完成することができましたので、今月末から本格的に法術を使ってみようと思います。呪文を唱える練習だけでも以前とは比べものにならないほど集中がしやすく、気も体の中から湧きだしてきます。

 六甲壇を完成させるためには、やはり日頃の体づくりというか、気を体に充実させる修練を熱心に行うことだと思います。
 最後に修練中に何かとご教授頂きました竹川先生、兄弟子のAさんに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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