マレー降頭巫術(2)
マレー降頭巫術の木神霊用法
この木神とは百年もの年を経た古い樹木を探しだし、それを金曜の夜の九時に於て刈り取り、この古樹を彫刻して木神の面像を作り、そして作法をしこれに入魂した物であります。
犯邪法
邪に犯された者を解くには、その人の写真を木神の面像の後ろに置き、少しばかりのレモンの汁をふりかけ、甘文煙に火をつけて法師は木神の面像を甘文煙にくすぶらせながら念呪する事二十一遍、そして黒布で以て木神の面像をおおい被せて、祭呪する事三日にして写真を川に流し、法師は井戸水一杯を木神の面像の前に置き、木神法呪を念ずる事三遍にして、この法水呪を病者等に服用させれば良し。
木神和合法
木の葉で以て二人の人形を切り作り、黒色の筆で以て五官を書き、法師は木の葉の顔同士を向かわせて、この背中には各自の姓名、生まれ日や住所等を書き、木の針で以て葉人の胸を突き刺し、そしてこの葉人形を木神の面像の後ろに置き、甘文煙に火をつけて、南面して座って法師は木神の面像を甘文煙にくすぶらせながら念呪する事二十一遍、毎旨夜の九時に於て祭法する事七日間にして、葉人を木の下に埋めれば和合せしめる。
木神駆邪法
邪にあてられたり、精神が定まっていない時に本法を施こせば良くなる。小さなガラスビンの中に邪にあてられた者の毛髪少しばかりと両手両足の爪各少しを切り取ってガラス瓶の中に入れてから巫油をこの中に入れてフタをし、このガラス瓶を木神の面像の後ろに置き、別に白紙で以て一枚の秘符を書いてこれもガラス瓶の中に入れる。甘文煙に火をつけて法師は南面して座り甘文煙にくすぶらせながら念呪する事二十一遍、黒布で以て木神の面をおおい被せ、毎夜九時に祭呪する事三日間にして、このビンを大きな木の下に埋める。
木神追客法
追客符を神木に書き、甘文煙にくすぶらせながら念呪する事七遍、そしてこの木を商売・仕事をしている所の玄関の上の所にかければ旺客する。
破降頭法
神木に破降符を書き、この神木の面像の後ろに置いて、甘文煙にくすぶらせながら念呪する事七遍して、この神木を玄関の上に置けば、良く降頭を解く。或いは身に帯びれば邪降を破る。
木神旺運呪
井戸水一碗を木神に搬き、甘文煙にくすぶらせながら念呪する事七遍にして、この水で以て洗えば良く旺運大吉となる。
招客法
法は老葉一枚に招客符を書き、それを木神の面像の後ろに置いて甘文煙にくすぶらせながら念呪する事七遍して、この老葉を水碗の中に入れて、この老葉で以て店の玄関口にふりまけば、良く旺客招財する。
迷魂術
術をかける者の写真一枚に秘符を書き、この写真を木神の面像に置き、白いロウソクー本、甘文煙に火をつけて、木神の面像を甘文煙にくすぶらせながら念呪する事二十一遍、黒布で以て木神の面像をおおい被せて、連続して祭呪する事二十一日間、最後の日に術を求めし者を呼んで、法師はその者の中指を針で刺して血一滴を写真にかける。この写真を術をかける者の住んでいる所の土やいつも還っている所に埋めれば、即ち完満。
定神術
精神が定まらない、不眠をしている者には本法を施こせば良し。定神石一粒に秘符を書き、この石を一杯の水の中に入れて、法師は木神の面像をコップの上に置いて、念呪する事七遍して、これに服用させれば精神が定まる。
蛙神法
木神を祭拝するには必ず木神のわきにカエル神を祭れぱ、良く木神の壇を守護し、又良く招財大吉と成る。
この蛙神も百年経た木で以てカエルー匹を彫刻し、そしてこれに入魂するのであり、夜の九時に木神の前に甘文煙に火をつけて、法師は蛙神を甘文煙にくすぶらせながら念呪する事二十一遍して、この蛙神を家の外に持ってゆき夜露に当たらせ、次の日にはもどし、連続して行う事七日、そしてこの蛙神を壇の所に置けば、良く招財大吉である。
蛙神呪
蛙神を行う時にこの呪を念じながら施法すれば、更に奇効ありとす。
蛙神定神呪
精神が定まらず、気持ちが像れない時にこれを行うべし。
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