道場御参山に就いて

年月日

昭和三十年  月  日
         神仙道本部
          殿

拝啓 御来書拝見仕候益々御勇健にて斯道精修之段大慶に奉存候
 扱御申越の道場御参山に就て  月  旬組(    日の日間)編入と相成り候間  月  日午前中(但し高知駅十二時四分着列車なれば開講式に間に合ひ候)本部到着の予定を以て御出発被下度、尚、左記予め御留意願上候

一、神仙気術伝伝書御持参の事
一、服装は和服にても洋服にても御自由にて、態々新しく白衣白袴調製等には及ばず候へ共、神拝修法相伝等の際は和服の場合には御手持の袴着用相成り度し(既に白衣白袴を有せらるる方は御着用の事)
一、寝巻は各自自参の事
一、土佐は極めて雨多き国なればレインコート傘など携行さるるが宜敷と存候
一、御出発日より御帰宅に至る迄の間獣肉を食せらるる事御遠慮相成度、尚申す迄もなき事乍ら婦人月水の穢れに触れらるる事は厳に御注意相成度
一、食事はバスに乗って市内迄出かけざれば食堂らしきもの無之、且つ潔斎を要するも有之、道場に於て実費を以て御用意申上ぐ可く候も、万事不便の地なれば極めて粗食の点予め御含みおき相願ひ度し。尚、道場滞在中は一切酒気厳禁の事、酒仙各位短期間の事なれば御辛抱相成度  以上
道場は道山なり、軽易の感を戒む。

 道場は伝道師授の霊場なれば祭式相伝受講は素より起居飲食の間と雖も万事修行と心得られたし
特に今次の天機は、畏かれども師仙水位先生現身を以て神界に通ひ給ひ、幽契のまにまに道統上の神祇上仙より直授され給ひ地上唯一巻の三皇内文玄台霊宝混沌大五岳真形図原巻を始め奉り、高貴なる神仙御親筆の神符霊図類にまのあたりに感格結縁し其御神魂の分形神気を身内にをさめて茫々一万歳の仙縁と霊信に契合すべき現界一期の道機なれば充分の戒心を以て道場に臨まれ天縁成就の一大事を全うされん事を。

 また旅途に於て霊的試錬を受けらるる前例極めて多ければ、自家の門を出でて再び門に帰らるるまで其道場たると旅途たるとを問はず一念一動尽く師仙昭鑑の下にあるを思ひ、万事慎みを第一とし心身の潔斎を守らるれば凡そ大過なかるべく存候

 尚本状御受領確認の為折返し御返信相煩し度、また参山予定日変更等の事情発生の際は速かに御打電被下度

○道順
 汽車の場合は高知駅下車、駅前発(どの電車にても可)又はバス(はりまや橋へ行くやを確かめて乗車の事)に乗り、はりまや橋停留所(駅より三分間ほど)にて下車、前方交差点左側角の四段建ビル土電会館内一階より郊外バス発車につき「五台山ごだいさんツ石」と切符を求め、種崎たねざき行又は前浜まえのはら行に乗り、走行約十五分にて三ツ石バス停到着。
(途中青柳橋あおやぎばしとて四百米余の長橋を渡れば五台山麓に沿いて独鈷水とっこすい前ー護国神社前ーみなみ吸江ぎふこうー三ツ石と到着近きにつき下車準備のこと。三ツ石バス停にて下車し、五、六間引返せば竹生垣の間を山へ登る小道あり、直ちに石段道となる。登ること約百米にして本部門前に至る。(若し判り難ぎ時はバス停附近にて「清水しみず」と御聞きの事、移築早々なれば神仙道本部と聞かれても判らぬ人あるべし)

一、午前中高知駅到着の列車時刻は五時一〇分、八時二九分、十時五九分、十二時四分の四便あり。
一、タクシー御利用の場合は駅構内に雲集しあり。五台山三ツ石バス停迄と指示のこと。料金二百円内外。
一、船便の場合は大阪天保山発午后六時半、神戸港発午后八時の関西汽船にて高知港着朝八時頃、汽船にて高知港着の際桟橋より「はりまや橋行き」の臨時バス(一便のみ)あれば急ぎ乗車のこと。はりまや橋下車、交叉点右側が土電会館なれば以下の道順は前記と同じ。

※現在道場運営はしておりません。