道場開闢

年月日

道場開闢

天縁成就の機遂に到る道場開闢

昭和三十六年立春吉日
神仙道斎主道統第四代 清水南岳

 拝啓 梅花漸く香はしく先師御五十七年祭も近けく候折柄益々御清昌にて斯道御精修之段大慶に奉存候

 陳者多年の懸案たりし神仙道道場創建の志業も篤信道士の義援により、遙かに俗塵を超絶せる五台山東麓の高台に、浦戸湾の景勝を一望の下に俯瞰する三百五十余坪に及ぶ用地購入を了へ、引つづき本部事務所(道場事務所)の移築も完了し、あと道場宿泊舎屋設備を余すのみの段階に迄進捗を見たる段斯道の為御同慶に堪えず奉存候

 扨、時局推移の相貌は各位夙に御霊察の如く内外とも一触即発とも申すべき大激動期に突入致し居り、外には地上生類の存亡を賭する世界最終戦争への態勢は既に宣戦布告なき緒戦状態に入り、内には同胞相擊相殺の内乱を現出すべき妖雲巷に溢れ来り、内外相応じて地上未曽有の大乱は今や避く可らざる様相と相成り候事は、古仙謂ふ所の民恐れざれば大威至る嚝古必然の帰結と存候

 我神仙道本部に於ては此大威の顕現たる大動乱に当面し、真に修真求道の道念ある仙縁の道骨を撰列し、地上唯一系たる水位道統至極の一大事面授の天縁を成就せしめ、以て此非常の現界に生を享け来れる奉道士をして千歳有終の美を済すべき天機を全う致し度、盟約の道士結集の場として神仙道場創設の業を急ぎたる次第に有之、不世出の神人水位大霊寿真人出遊の地に来りて仙縁成就の為め現世一期の道機を求むる上士に対し、茲に水位道統第四代継承者の名に於て道場面授の開闢を御報告申上ぐるの機会を得たるを神祇師仙明鑑の前に祝福仕候

 就ては未だ道場宿泊施設等未了に候へ共、諸賢既に真一の神識に照して御霊察の如く大威の時期は甚だ接迫致し居り候事とて、来る四月以降桜花の頃より個人的面授の機会を得度と存じ候

 当初、道場講伝会としての講想は一期十名内外を予定致し居りしも前陳の如く所要施設未完成につき、当分の間一期三名以内とし、本部事務所内の客間にて御宿泊願ひ、斎主より個人的に親しく面授の事と致し度、何れ不日道場宿泊舎屋等設備完成の暁に於て当初の予定人員に復し度と存候
 但し各位の御希望により高知市内の旅館(一泊千円内外)等に宿泊さるるも御自由に御座候

 而して当分面授講伝の為の道場滞在日数を三日間(岳形相伝第三伝の霊宝五岳真形図伝写を要せざる士は二日間)とし、結縁及面授種目の大要は左記の如く暫定仕候

(一)水位先生将来三皇内文及び玄台霊宝混沌大五岳真形図感格結縁修法(特に拝観許可)
(二)青真小童大君親筆得仙符結縁修法(特に拝観許可)
(三)○○○神親筆霊胎得寿符感格修法(特に拝観許可)
(四)韴霊神ふつのみたま剣(天之沼矛あめのぬほこ)結縁修法
(五)霊物四種拝観(神集岳及海宮界より水位先生将来もちきたる
(六)神仙気術伝直授
(七)玄法秘文三種口授
(八)秘名口授
(九)其他、禹歩伝実修等(以上第一次参山の種目、第二次以降の種目は発表を憚る)
(十)特伝 右の外、仙階稟認の有資格者に対し 岳形相伝の 第三伝、○○○神授霊宝五岳真形図伝写を許可さるる事あり
(註 五岳真形結縁及第三伝以上の直接面授に就ては神仙道誌第四十九号所載の混沌五岳真形図説及び既送の五岳真形筆伝付嘱に関する各内規文、第二十九号所載神剣之記等必ず精読の事)

道場参加内規

一、参加資格 当分の間道場面授講伝に参加を認めらるる道士の資格等に就ては、予てよりの御約束に本づき優先順位を左記の如く定む。

第一位 道場創建協力(基金拠出)の道士を最優先とす
第二位 新たに道場創建基金拠出に加入さるる者を次位とす(道場参加資格を得べき創建基金の受付は、道場舎屋なほ未完了につき完成に至る迄継続受理す)
第三位 仙階稟認証を授けられたる道士を第三順位とす

 右の該当者を以て道場参加資格を認め、また特伝たる五岳真形第三伝伝写に就ては仙階稟認を有する道士にして岳形筆伝第二伝(混沌一変五岳真図)まで神文提出ある士に限り特伝資格を認む。

 一、但し有資格者と雖も突然の来山参加には一切応ぜず、必ず所定の内規に従ひ、参加月日等予め照会の上、道場の返信を得て参加さるるものとす。

一、神前初穂料 任意
一、講伝束修料 三千円也(但し前記結縁及面授種目の(一)より(九)に至る束修行とす。(十)特伝(岳形相伝第三伝・霊宝五岳真形図伝写)志望者は別に特伝幣帛料を要す)
一、特伝幣帛料 五千円也(但し岳形相伝第三伝○○○神授霊宝五岳真形図全五図の内、中岳・東岳・南岳・西岳・北岳真形図の各一図に就ての伝与幣帛料とす。東岳真形図は立春より立夏前日に至る迄の期間に於て伝写を許され、南岳真形は立夏より立秋に至る迄の間、西岳真形は立秋より立冬に至る迄の間、北岳真形は立冬より立春に至る迄の期間に於て伝与を許さるるを仙家の掟とす。
 只だ中岳真形図は、各季の土用期間に於て伝与を許さるるものなれど、道場開講期日と必ずしも一致せざるべきにつき、四季の如何を問はず道場参加の時を以て伝写を許さるべき特例を設けたり。されば一回の参山にて全図の伝写を志望さるるとも不可能の事とす。
 即ち一回の参山にては其季に属する一図(春季は東岳、夏季は南岳、秋季は西岳、冬季は北岳)と、特例として認めらるる中岳真形図との二図の伝写を最大限の可能とす。而して第二次参山以降は其季の一図の伝写を許さるるのみ也。之を以てうとしとせらるること勿れ。
 古来、地上に生を享けたるもの幾兆億、其の内、仙を学びたる者また数を知らずと雖も、真の霊宝五岳真形図を拝し得たる者果して幾何ぞや。ただに真図を拝し得たる者だに恐らくは百年にして幾人なりけん、而も仙果の一大事たる岳形伝写の天機に恵まるる如きは、古今求道士の夢想だに為し得ざりし処なるべし。
 之れ地上世界嚝古の大動乱を前にして、世紀を同うして現界に生を享け、倶に水位大霊寿真を師仙と仰ぎ霊胎千万年の修真生活を倶にせんとする天親地愛の同信を分たんとするの所念に外ならず。永遠の師仙水位大寿真人現界出遊の地に来りて今ぞ此道契を得んとするの士は必ず心せらるべし。
 因みに岳形相伝直授第四伝・第五伝及其以奥の諸大事に至りては未だ其人選すら定まらず、万事御面謁以後の事にして、今日のところ神霧茫莫、何事をも申上げ難し。)

 右第三伝伝写に要する用紙筆墨の類は凡て道場に於て用意す。御持参に及ばず。尚は伝与に用ふる御硯は、師仙水位先生が御帰天の間際まで使用せられ給ひ、常に赫々たる霊威の神符を認ため給ひし御遺品にして、不世出の神人の霊魂を凝結せさせ給ひし御物たり。

 水位道統結縁の門人たる資格に於て右の御遺硯を以て伝写を受くるの道福と光栄、亦何にか譬へむ。道統は概念に非ず、実に歴史的環境的事実なり。

本年度(四月以降より明春三月迄)道場参加申込に就て

 参加順位組合せ編成の都合有之に付き本年度中に於て道場参山の希望ある向は申込金千円也(但し御来山の節講伝束修料の一部前納として取扱ふ)を添へ、また別に特伝志望の向は特伝一図に付き申込金三千円也(但し御来山の節特伝幣帛料の一部前納として取扱ふ)を添へ、参加希望の時期を付記の上御照会相成り度、可及的御希望に添ひ得るやう御取計ひ御返信申上ぐべく候。

 尚は御希望時期は、第一希望何月上旬、第二希望何月中旬等の如く御知らせ相煩したし。おほむね各月上旬・中旬・下旬の三組に分ち一応本年度を通じての順位組合せ編成致し度。

 若し御都合により決定後に於て参加時期変更等の際は速かに御連絡相煩し度、適当の時期に編入方考慮可致候。仍って当該申込金は参山の機会を得らるる迄たとへ明年・明後年に亘るとも持続的に有効にして、優先順位を失ふ事無之候。

備考
 右申込金制度の如きは元来本部としても甚だ欲せざる所なるも、未完了の道場舎屋の竣工を急ぎ一日も速けく創建の志業を達成致し度き念願より右申込金を早急の建設基金に繰入れ取敢ず宿泊設備の進捗を計り度に付き、道場参山天縁成就の素志有るの士は此際予定の如何に拘らず一には創建促進協賛の為め、一には資輪を以て法輪を転ずるの志向を表明すべく右申込金制度を活用相成り度希望仕候。
以上

本部だより

○同封を以て受伝手続済みの各位に対し「神仙気術伝」伝書を拝送申上げました
○本年度の教導職身分証明書の書替時期は三月二日となっています。未了の方は書替手数料二百円也を添へ御手続下さい。新証明書と倶に禁厭秘帖(七)を付属されます。(丹章籍以上の道士は幣帛料三百円也を進納して右秘帖の受伝資格を認められています)
○来る三月二日は水位先生御五十七年祭に当ります。道士各位の御道福を、言別けて仙縁成就の天機開展を御祈り申上げます
○道誌発行は右御年祭後となります。

※現在は道場運営は行っておりません。