明治天皇御神衣
贈呈状
昭和三十九年 四月五日
神仙道本部
一、御物神衣 衣片
由来
此神衣は畏かれども代々木ノ大神と称へ奉る明治天皇の御神衣にして、方全先生(東嶽宮地厳夫先生)宮中掌典たりし砌り拝領に及び、次で先師水位先生へ伝ヘられ、先師は其侭神事用として多年に亘り御着用されたが、御帰天に先立ち、「我れ帰幽の後我家に私藏するは畏れ多し。必ず厳夫氏へ返還すべし」と固く申し付けられ、御衣は再び厳夫先生へ帰納されるに至ったが、次で嫡子泰岳先生(故神仙道総裁威夫先生)之を承け、更に道統継承者たる清水南岳斎主に伝はりたるものである。即ち此御物御神衣伝承の次第は
明治天皇 ー 水位先生(道統第一代) ー 方全先生(第二代)ー 泰岳先生(第三代)ー 清水南岳斎主(第四代)ー 神仙道道士ー
と伝へられるもので、畏れ多き事ながら明治天皇の親しく本体に召させ給ひて宮中三殿の御祭儀を親祭あらせ給ひ、次で不世出の神人水位大霊寿真之を着用して諸々の幽事を執り行はせられ、方全先生この神気和凝せる御神衣を以て再び宮中三殿に奉仕されたる霊気凝結の御神衣を正真一系の道統と倶に伝承して、水位神仙道同門の所縁を以て爰に其御衣片を分ち貴殿に御贈呈申上ぐるに至った事は、実に並々ならぬ所縁に由るものと存じ御同慶に堪へぬ次第であります。
神仙道道場は、建設過程に於て尚ほ未完了ではありますが、至難なる用地購入より本部事務所移築の段階に迄達し、取敢ず道場開闢を宣するに至り得ましたのは、偏へに厚き御道念による貴殿御協力のたまものと謂ふベく、茲に之を機会に第一次栄典として叙上御神衣分片を贈呈し感謝の意を表したく存じます。
以て其の聖、洵に現人神と坐しし明治天皇を始め奉り神人水位先生の霊徳を偲び奉るのよすがとして、永く其余香を拝せられん事を御申添へ致します。
※現在は贈呈は行っておりません。