宮地神仙道

宮地神仙道とは

 宮地水位派神仙道の師仙、水位大霊寿真は、その前生が神集岳神界仙官であったが、嘉永五年(1852)、謫仙*5として現界に生を享けられた。
 幼少十歳の頃より再び神集岳に出入し、天上地上、幾十幾百の神仙界・海仙界にも肉体を以て、或は出神法で交通せられた。
 その天賦の霊智と特殊の霊的便宜に基づき、霊統上の神祇師仙の御啓導のまにまに神集岳を背景とするわが宮地神仙道を大成し給い、明治三十七年(1904)三月二日、尸解の法で肉体を脱せられて、再び神集岳に帰天し給うた。
 宮地水位派神仙道は、人仙・地仙以上の神仙を目標とする道門にして、以てその道法にかなりの高度なるものが存在するが、人仙・地仙の道力の無い者は効果を出せないのも事実である。

水位道統現存する!

 その御前身が大霊寿真と云う尊貴なる仙階の神仙たりし幽契により、地上希有の破格の神寵を以て、幼少御十歳の頃より大山祇神・少名彦那神等に伴われて肉身を以て宇内神界の大都たる神集岳神界万霊神岳神界に出入りせられ、北天神界(北極星にある宇宙最高神界)、諸星辰界、海宮界(海中のある海仙境)、地上諸神仙界、仏界諸霊界、山人天狗界をも極め給い、また高貴なる神祇大仙より親しく仙道隠微の道要、神法道術の玄旨を指授せられたる我が神仙道師仙、宮地水位先生(神集岳大永宮官属・大霊寿真、神集岳は宇宙にある大神仙境)が、その希有の霊的体験と天賦の霊識にもとづき、或いは天上より持ち来る神秘の、或いは上古以来神人相承の玄訣を伝へ給いし天来一系の深秘の道統は、親族にして神仙家たりし宮地厳夫先生(幽名を方全霊寿真と云われ、また奇しくも神仙界交通の霊感者、東岳と道号す)これを継承し、その御子息である宮地威夫先生もまた、これを継承された。

 昭和二十三年春、「宮地仙道要義」、「宮地神仙道修真訣」の著者にして、多年にわたる宮地神仙道道業中興の提唱者たる清水南岳旧斎主の発起を以て、御啓導神祇師仙御幽賛のもとに宮地威夫(泰岳)総裁司宰による道士会が設立され、水位大霊寿真、天上将来の神仙道の研修の機関は、ここに開かれたのである。
 宮地水位派神仙道の初代は宮地水位先生、第二代宮地厳夫先生、第三代宮地威夫先生、第四代清水宗徳先生、第五代竹川文男(現斎主)の紹統順位で、この歴史的環境事実のほかに、宮地水位神仙道の道統学系はあり得ない事を申し上げる。


◆用語解説◆

大霊寿真(たいれいじゅしん)

 神界(神仙界)における神仙の位を表す。
 通常、我々が云うところの仙人とは地仙の事を指し、地仙の上の位が神仙である。

 地仙は、空を飛び、水の上を歩き、火に入っても焼けず、雨や雪が降っていても体にかからない。しかし、出神させることが出来るのは陰神であり、また地球を離れることが出来ない。だから地仙と云う。

 神仙とは、地仙の道を得たる者、尚、功を用い法を修めて止まず、陰尽きて純陽となり、陽神(玄胎、または仙胎とも申す)を結成して、身外に身あるに至り、神仙道の奥義に達して、塵俗を謝絶して神仙の本域に返る。所謂、神位を得るものであり、宇宙にも、海中の仙境にも住むものである。
 神仙は寿真とも呼ばれ、小霊寿真(小神仙)・大霊寿真(大神仙)とに分かれる。

神集岳神界(しんしゅうがくしんかい)

 水位先生により初めてその様子が洩らされた諸神、諸仙がおられる高級神界。神界の中での根本中央府たる神界である。

万霊神岳神界(ばんれいしんがくしんかい)

 これも一つの神界であるが、この神界には仙伝の天仙や地仙が多くいる。
 万霊神岳は現界的な表現をすれば、連合といった体系の多くの霊界や境土の集団的形態より成っている。
 神集岳神界と同様に、少名彦那神がその主領官であるが、実際上の統治は大国主神並びにその御系統の国津神等により管掌されている。
 この神界の中にはキリスト仙界や仏仙界等が含まれている。

仙官(せんかん)

 神界(神仙界)の中の役目を持っている神仙。これに対して役目を持っていない仙を散仙という。

謫仙(たくせん)

 神仙界から人間界への島流しの刑に処せられている仙。より高い見方をすれば、大神からある使命を受けて人間界に降ろされた仙。

尸解(しか)

 神仙を志して玄道を学ぶ士は、自分の死期の到来する前に神仙界における生活体である玄胎(仙胎、陽神、天胎、真胎、霊胎、聖胎もすべて同じ意味)をあらかじめ結成して、自己の本体たる霊物(中国でいうところの精気神)をその真胎の方へ宿替えさせる。そして肉体生活の終了と同時にその真胎を以って神仙界に遷るのである。これを尸解(尸を解く)という。
 肉体生活の終了(死)を待たずに、結成した真胎に転じ、肉身を法術により解消し、顕幽にわたり両棲生活をするものもある。
 尸解仙として神仙界に入れるのは地仙以上のものである。


旧神仙道本部の神殿

高知五台山にあった旧神仙道本部の神殿

清水宗徳御夫妻

宮地神仙道第四代斎主・清水宗徳御夫妻

清水宗徳先生の直筆書簡


宮地神仙道の伝授について

 過去の神仙道では主に筆伝で伝授を行っていたが、これは戦後の混乱期の時代でもあったし、また高知という地方の関係上、本部に行かれる人が大変少なかったので、主に筆伝で伝授されていた。しかし実は神仙道は口伝だらけであり、筆伝だけでは決して成就出来るものではない。
 過去の神仙道では清水斎主はその人達に縁を持たせる事を主体としておられた。
 だから多くの口伝の部分は伝授さていなかった。刀印の結び方だけにしても厳格なる決まった法則があり、ただ何となく刀印を結ぶものではない。
 また刀印(剣訣)の力をつける修練もあり、その切り形にもまた口伝がある。

 一部の人に伝授したものの中に六甲秘祝の口伝があり、六甲秘祝の大秘事は此の秘祝を修する事により、身辺の気線を真一ならしめて、特殊の霊感力を具備するに至り、命運鎮護、降魔伏敵、災禍消滅、霊感力発揮の根元的玄法でありと、また修法方式としてこの施行法も書いて居られるが、しかしこれはこの効能書きを書いておられるだけであって、これをその通りに行ったとしてもその効果は決して出てこない。これにも当然口伝があり、その通りに行うとすぐにその霊験が体でわかる。

 神仙道では本部の水位先生伝承のもの以外に口伝が存在するのであり、これは清水斎主は誰にも伝授はされず、私一人のみ口伝を受けた。口伝は神仙道の命である。
 旧道士の人で神仙道の全部の資料を持っている人も割りといる。しかしあくまで資料のみであり、それらを持っていても何にもならない。いやかえって害になるものだ。
 神仙道本部より離れると段々その気線がなくなっていくのも事実であり、普通の人の中にはただその資料を手に入れてそれで良いと思っている人達がいるが、それは実に大きな勘違いであり、中にはネットで神仙道関係の資料を売っている者がいるが、法には気線というもの厳と存在する。

 帰幽したとして私は水位先生のこれらの資料をこれだけ持っていて、神仙界に行く資格があると冥官に説明しても、それは正しい所より出たものではなく、偽造されたものであり、よって没収すると言われるであろう。
 神仙道本部より正しく伝を受けたものであっても、その人物が本部を非難したり、自分勝手に神仙道を開いたりすれば、直ぐにその気線は閉ざされてしまい、その本来の効果はなくなり、神仙界とのつながりがなくなり、その真形図等も「もぬけの殻」となっている。