特別講伝書 地之巻 人の巻
人之巻は昭和二十六年、地之巻は二十九年、専ら教導職たらんとする道士の為に出伝せるものなれど、素より尽く修道上の秘事にも亘れるものなれば教導職外の道士にも其道福を頒つべく茲に受伝の天機を与へられたるものなり。
人之巻目録
○清祓秘事、大祓詞中の天津祝詞ノ太祝詞言、忌火、切火祓、忌水、 古式祓串
○潔斎
○火立て水立ての法
○真伝八目荒籠の詛術
○招霊符
○水火生動秘文
地之巻目録
○天津奇祝辞
○病気平癒詞
○気吹ノ神法
○吹水ノ神法
○慰霊祭幽法・ 霊魂調形霊辞
○龍神感合法・鎮患微詞
○剣伏セ神法
尸解仙薬の標本に就いて
今回は同封「鎮心保命術」贈嘱に加へて、仙人尸解法に用ひる仙薬(石象神芝)の標本を呈上する心組みでしたが、聊か軽挙ではあるまいかといふ久参道士の方々 からの御意見が相当参って居り、たとへ標本と雖も玄道の機微に亘るものであるから其授与の序列等には十分慎重を期して欲しいといふのが大方の御意見でありました。
素より此仙薬は多数の道士各位にお頒ち出来るほどの量が手元にあるわけではなく、数人分の用量を充たし得る底のものを保存し来ったものでありますが、思ふ由ありて斯うした玄道至極の変化を具現する玄法上の謂ふところの実物資料を御勉強願へればとの婆心から標本としての呈上を考へた次第でした。
然し今回の此挙に限らず、既に茲両三年来、半期毎に付嘱の贈法に就てる、伝法を安易視する如き弊風を生じる惧れはないかとの御意見が当初より有之、今回の仙薬実物見本堂上の機会に於て長老方のうっ積した声が高まったものと考へられ、低次元なオカルト風流行の折柄御尤もな御意見と思はれます。
仍って今回は之を見送り、呈上の対象等に就いて粛然たる検討を加へ、後日お知せ申上げ度と存じます。
(斎主 清水南岳)
※現在は仙薬の頒布は行っておりません。
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