武当派気功

武当門について

 武当派は張三豊仙人によって作られた門派であり、中国では一大門派であり、名門正派である。

 内家武術・仙道に秀でた仙人であり、中国武術は現在に到るまで既に数千年を経過しており、その間の変化はとても多いが、しかしその淵源はと云うと二つの大きなる主流に分かれ、一には内家、もう一つは外家で、内家は武当にその源を発し、外家は少林より出る。武当派と云うのは地名より出たもので、祖師洞玄真一張全一、名は君宝、号は三豊、宋の徽宋の時の遼東の人で武術の奥義を得、拳法の精華を知り、後に武当山に隠居して練気修丹をし、柔で以て剛に勝つ及び守りながら勝つ学を研究して内家武術を作り内家拳の宗となす。

武当派武術気功

 これは全身の気血の巡りを通じ、内臓の病気を消除し腎を強め精を固め内臓を堅実にするものであって、また練気に優れて居り、気を非常に強く練れて、内気・体力は無論のこと、普通一般の気功ではとても練る事の出来ない内勁をも練れ、そしてその内気、内勁を全身に充満さすものであり、筋肉をも非常に強くして、若い方や武術を学びたい方は、この功法より修行されるのがよい。
 練習する事数カ月にして腹部に自然に熱気が生じ、行の進歩によって非常に強い熱気となり、その熱気は何をしていても、話をしていてもその熱気はいつもあるようになる。
 これは立ったままで行い、型は基本的に十六法あり、その他多くの功法があるが、その人の状況等に応じて指導するものである。

武当派純陽気功

 この気功は養生、健康、五臓の調和安寧を目的としている。

 この功はまず腹で気を練って、それを全身に巡らし、五臓を導引して調和安寧させるものである。体のほとんどの病気はこの五臓が原因だと云っても過言ではない。
 神仙道においては高度な段階で、この五臓の調和安寧、特に五臓の五気を練ることが非常に大事になってくるので、この功法の価値がある。体の虚弱な方や病気のある方、年を取られた方は、この功法から修行されるのが良い。

 男性は中年になると体力は落ち性機能も著しく後退するが、この純陽気功を行えば、心腎の気は相交わり、水火は既済され、いつも男を保てる体になるものであり、女性は年をとってもみずみずしい肌を保てる様になるものである。

 この純陽気功を行っても腹部に熱い気は生じ、普通の仙道のようなあるようなないような微々たる熱気ではない。型は全部で十法ある。

武当派の拳法及び奥伝

 武当派にはこれら気功の他には伏虎拳(拳法)、鉄布衫、鉄砂掌、鉄指功のほか静座がある。武当派では外極を拳脚功夫、内極を気功(内功)、玄極を天道(静座)と申すのであり、これは修道の事で三花即ち天花、地花、人花の技であり、これは六耳不談としてある。六耳とは三人の事で、つまりは四耳の一対一でなければ老師より教わることの出来ない最高の行法である。

 この静座の前には二種類の静座功があり、第一種類目のものは道家必修の内功で血脈を通じ、これは更に第一・第二段階まであり、二種類目のものは全五段階まであって、これを行えば督脈の気が簡単に通じるようになるもので、練りし後は青春を保ち、気血がよく通じ、婦人の生理痛や分泌の不調、腰や背中の痛み、不感症等の雑症にも効果があるものである。

武術気功の解説

 武術気功の功法(純陽気功法のそうであるが)は立ったままで行い、鼻より吸って口より吐くというのが殆どで、又息を止めて行う功法はほんの少ししかない。

 最初の功法は主に腹部が主であり、腹部の気・丹を養成する事を主眼とする。大体三週間位で気というものがわかり、四ヶ月も行えば腹部が自然と熱くなって熱気が出てくる。
 その熱さもホンのちょっとではなく具体的にグーッというような熱さで、その熱気は四六時中腹部が熱い。
 偽仙の本にあるような息を吸う事、閉める事、吐く事何十秒とかというような事はいらない。
 ある時寝ている時、足がビックリする程熱い時がある。何かあるのではないかというような熱気である。

 その次は腹部にあった気を今度は腹の後、腎臓等に送る功で、その次は腹部の気を両腰に持っていく功、そして次は気を胸部、背部に持っていく功で、このようにして体の上半部に気が行き、更に肩、腕、手、膝、足にと全身に気を満たして行くのである。そして体内で培養した気・勁を発勁等の訓練によって対外に発するように練功する。体の内部は内気だが、外に出ると外気になる。

 日本流のような手のひら療法の訓練のような事を行わなくても、自然と皆出来るものであり、その気の力はただ静座だけをした気の力に比べてはるかに強いのである。

会員体験談