呂山教

年月日

呂山教とは

 これはまた別の師匠の伝であり、呂山とは閭山派の許真君ではなく、呂祖の事であると申す。これは武法が多いのが特色である。またこれには別に三山教と言って、六壬教の三山ではなく、呂毛茅の三山教とがある。呂とは呂山であり、毛とは斉天大聖の孫悟空であり、茅とは茅山の事であり、以上の三つが合わさったものであり、別の伝がある。
 この呂山教は赤い布に御神名を墨書して入魂した御神位が必要であり、これの請師呪には呂山老祖、白鶴仙師、茅山法主、六壬仙師、斉天大聖、黄老仙師、金木水火土仙師、六丁六甲神将、太上老君仙師等の呪文を唱える。また此の法門の中の作法、練法、防身の呑む霊符の中に王老仙師の名前を入れるし、また東北地方に伝わる法門の中の御神位にも王老仙師の名前が入っているし、王老仙師は天和教の法門だけで拝んでいるのではないのである。またこの法門は非常に実用的で即効性があるので、師は良く使っているとの事であった。

呂山教の概要

1.請師呪
 線香三本を持って請師呪を唱える事三遍、そして香炉にさす。

2.修練法
 朝早く東に向かって呪文一・二を唱えて、霊符の中にこの呪文を書いてそして焼いて呑む。これを四十九日間行なう。

3.勅筆呪、八卦勅符呪、勅符總呪
 駆邪・求財には朱で書き、その他は墨で書く。書符が終わってから符胆を書き、筆の尾で符脚をついて地面をけり、最後に敕符呪を唱えてそして香炉の上で三回転して終わる。

4.発兵符
 法術を行なうにはまず発兵してから事を行なう物であり、発兵符を書きその符胆を剣訣で書き、筆の尾で三回つき、左足で地面をける事一回。

5.寄打符、店・壇求財符
 呂山法主の符であり、これは寄打符であり、一日・十五日に服用する。店・壇求財符は一枚は門内で焼き、もう一枚は門外で焼く。その時は金紙七枚共に焼く。

6.売買成交符
 これは店等で使う物であり、一枚は土地公の香炉の中で焼き、一枚は目的地で焼き、一枚は客の来る道先で焼く。客が店に来たとして何となくその物らを非常に欲しくなり買ってしまい、家に帰ってから何でこんな物を買ってしまったのかと不思議に思う物だ。これは一種の迷魂法である。

7.如意辨事
 これは何事でも使える物であり、物事を何でも早く解決、成功出来る。例えば家を買うとしてそれが三ケ月もかかるとして、そんなに待てないとこれを行なえば三~五日で出来たり、師が申すに知り合いに何回も結婚の話があったが、何時も最後には纏まらないので、そこで二十一日間行ない無事成功出来たとの事である。これは求財にも使え、この法は普通は三~五日で良いが、大きなる事件は最高四十九日行なう。先に発兵符を焼いて、次にこの如意辨事符を焼く。

8.賭符
 これは韓信公の符であり、師はこれを使った事があり、北京オリンピックの年に知り合いの三人にマージャンをしようと誘われ、最初から勝ちつづけてしまいにはこの三人のすべての金を巻き上げたが、二・三時間が経ったので、この法の霊験がなくなるのが分かっていたので、帰ろうとしたが帰してもらえず、最後には自分のフトコロの全部 の金を取られてしまったとの事であった。だからこの法はどんなに勝っていても二~三時間で負けが来ると直ぐに引き上げなければならない。二枚を使い土地公の線香の上で三回転し、一枚は焼いて呑み、もう一枚は焼いて灰としてその灰を手の中に入れてさする。
 会員のX君はこの賭符の術をいつも競馬に使っていた。やって大体は当たっていたが、賭ける額が千円程度の少額だったので、儲けも大した額にはならなかった。

9.止血法
 息を閉じて念ずる事一遍、その後に符を書く事一~三回、傷が重い者は書くこと三回、内出血の者は呑服する。

10.寄打法
 これは石や木に自分の痛み、傷、ケガを移す法であり、だからなぐられけられても自分は何ともないのであり、表演としては自分の腕にレンガを乗せて、そしてハンマーをふりおろしてそのレンガを割っても腕は何ともなく、次は手の甲に乗せ、そしてさらには指の上にレンガを乗せて行なう。

11.五雷禁
 人を傷つける物であり、その法に当てられた者はその人の精神がおかしくなる。夜にこの法を修練するのであり、念呪七遍してから左の手に符を書き、そして拳を握り、以上これを一回として、四十九回行ない、四十九日にして成功する。これには解法があり。

12.隔空傷人
 まず請神を行ない、次に左手に呪文を唱えながら霊符一・二を書くのであり、これを行なう事四十九回、そしてこの修練を四十九日間行ない、その間房事は禁止である。

13.化骨法、治病總符
14.阻止悪人法
 悪人が悪さをするのを阻止する。前もって目的地で或いは現場にて焼くのであり、発兵符と配合すれば更に良し。

15.防災招財符
 玄関口にて三枚を焼く。試験順利符、一枚は身に帯び、もう一枚は玄関にて焼き、三枚目は玄関の下に埋める。年に二回までは用いても良いが、しかし三回目は効果がない。

16.治陰病
 焼いてからこの水で体を洗い、または服用する。安神香炉或いは開壇、香炉の中にこの符を焼き入れる。

17.鎮邪殺
 子供の夜泣きを止める、身につけたり或いは枕の下に置く。

18.和合法
 先にこの和合法を行ない次に如意辯事を行なう。

19.帯符
 作法、練法、護身、闘法にすべて長期的に身に帯びる、白鶴仙師、王老仙師、斉天大聖、呂茅法主仙師、六壬仙師、太上老君仙師、銅皮鉄骨仙師の符である。

20.五方土地催客法
 黄紙に墨で書いて、土地公(日本なら産土神社)の廟内で、午(昼の十一時より一時)の時に焼く。

21.墓地焼符
 祖先の墓の所で焼けば、即ち良くなる。五雷安宅符、玄関に貼る。

22.門鎖自開
 術によって家のカギを開く方法である。

23.官非符
 官訟、裁判に勝つ法術であり、連続して行なう事三~七日。

24.總符
 これは常に服する物であり、人に与えてはいけない。

25.地基売房法
 これは家や土地を早く売る為の術であり、黄紙に墨書してお供え物を準備して地基主(その土地を司どる神)を拝み、ご説明を申し上げてから、この符を金紙七枚と共に焼くのであり、これを連続して行なう事七日間、午後以後に焼く物である。

26.追債法
 借金等を返してもらう術であり、まず毫光符を焼き、次に催法符を焼くのであり、三日間行なう。

27.調魂法
 家を出て行った或いは別れてから引き戻すのに使う物であり、子供が家に帰らない時にも使用出来る。

28.整人術
 相手を懲らしめる術であり、相手の家のまえに放ち、ここをまたがえば即ち病気となる。

29.迷合法
 強制的に相手と一緒になる術である。

30.千斤墜
 後ろに三歩さがって相手の足を見ながら九牛~と唱えれば、相手の足が動けなくなる。修練する事四十九日、その間牛肉や房事を禁ずる。

31.影打
 相手の名前や住所がわからなくても、相手の容貌をカベに思いうかぺてそれに向かって打てば良し。

32.迷魂法
 師はこれを習うのに数年かかったとか、昔では目をくりぬいてからこれを教えたとか、これは修練する事十五日以後これを使え、四十九日修練すればその功力は大成される。これは相手にこの迷魂法をかければ、相手はどんな事でも従うし、言う事を聞く物である。