禳星安位法 ~凶星を退き、吉星を招く方法~

年月日

 2018年、玄皇壇の先生の所に行った。そこは新幹線(中国の高速鉄道)で約四時間半かかる距離であった。
 夜に着き四川茅山教の先生に紹介してもらったホテルをめざし、タクシー乗り場には人が一杯で長く並んで待つていた。乗って運転手にホテルの名前を申すと、すぐほれあそこにあるその場所がそうであると言われたが、別の駅だと思い込み、いやここではないと申したが、あんたは間違っている、よし連れて行ってあげようと申され、駅のロータリを降りた信号のある所で降ろされ、あそこがそうであると言われた。
 信号をわたると宿泊所を紹介するやつらがいたので、ホテルの名前を申すと、そこにあると言われたのでさがすとやっと見つかった。かなりいいホテルであった。先生自身も知り合いに聞いて私に紹介したのであった。
 次の日には四川茅山教の先生が来られて色々と伝授を受けた。

 その次の日は玄皇壇の先生の所に行くが、前もって新幹線の切符を買っておいた。この駅よりその駅まで三時間半かかる距離である。
 二時位の発車であっただろうか、午前中は時間があったので漢方薬の卸売り市場に行く事にした。以前には市内の近くにあったが、引っ越してきた此の場所は行くのに初めてであり、タクシーで約一時間の距離である。
 かなり遠かった。大きな建物の中に無数の漢方薬の店屋があり、私が欲しい物の店を聞き回った。

 目指す店が見つかり、見ると袋に入れられた朱砂が沢山置かれていた。そこで鏡面朱砂の大きい物を選び、そして手に入れたいと思っていた石燕(せきえん)を手に入れた。この石燕は貴重品であり、御神像の中にも入れる。
 ぶらぶらと店を物色していると朝鮮人参を見かけ大きい物を選び、五百グラム買った。ぷ―んと人参のいい香りがしていた。時間がないのでそんなに見れず帰る事にした。

 待たせてあったタクシーに乗り、又一時間かけて駅まで戻ってきた。この駅からはホテルまで地下道を通って行けるので誠に便利であった。玄皇坦の先生のいる駅より先生に電話して連絡を取った。
 ここから又タクシーに乗り約一時間の距離であつた。広場にて落ち合い、そこから先生と二人でホテルにと向かった。
 先生の名前で部屋を取ってあり、先生は会員カードを持っているので少し安かった。先生の店はこの降りたすぐ近くにあり、先生は普段は学校の教師をしておられる。彼の奥さんも又教師である。

 今回、「禳星安位法」を習いに来ましたと申し上げた。
 これには実は二種類あって、それは一つは禳星法事と申して流年の凶星が命に入ったのを、星祭りの法をして、凶星をしりぞかせ、吉星が宮(きゅう)に臨むようにする開運の法であり、日本で行なわれているような効果があるかわからないような物ではない。
 これは禳星壇を作って作法を行なうのであり、これには「斗」と申して四角の木の容器の中に米および禳星牌位を入れて行ない(台湾では丸い容器の中に入れて行なう)、その廻りには秤、尺、ハサミ、小さな丸い鏡を置き、香炉、ロウソク一対、北斗七星の形にしたロウソク、又は油灯を置き、そしてお供え物をそなえる。

 この禳星科の作法は前段に多くのお経を唱えて、そして禳星の疏文を読み、禳星の疏文を焼き、二種類のお経を唱え、北斗第七までの名を申し、北斗誥・観音誥・本命元辰誥・当年本命元辰誥・貪狼星君誥・巨門星君誥・禄存星君誥・文曲星君誥・廉貞星君誥・武曲星君誥・破軍星君誥・左輔星君誥・右弼星君誥・南斗誥・太陽帝君誥・太陰星君誥・志心帰命禮の文を唱える物である。
 又誥星の作法では三種類の霊符を使う物である。

 先生からは三種類の壇図をいただいた。
 それは皆A4の額に入る物である。

元皇啓教張趙侯三大法主中三秦之香位
天地君親師位
長生土地瑞慶夫人之香位

 「安位」とは神々を入魂するのに御神像の中に教文を納め色々の漢方薬を中に入れる方法であり、又特に禳星法を行なった人には「安家神科」の作法にもとづいて「天地君親師位」を入魂し、そしてこれをお祭り申し上げる物である。
 これはその家のご先祖達をお祭り申し上げるのであり、これらの壇図の入魂はかなり面倒な物であります。
 先生の禳星科の伝書の中に「禳星吊斗式」と言うのがあり、これは注意しないと見過ごし易いが、実はこれには意味があり、先生の先生はこの禳星の「斗」を空中に浮かび上がらせ、それは空中にず―つと浮かんだままであったとの事である。
 これはそういう術があり、昔はこういう神秘な術を行なう者が数多く存在していた。