鎮魂一法

年月日

 道統第三代泰岳先生が嚴父東岳先生より教えられ、幼少の頃から実修を積まれた直伝の鎮魂法である。
 和装の場合は帯をゆるめてフトコロデにして行なうが、現代生活では殆ど洋装であるから、そのままで両手を下腹部(臍下丹田)に置いて行なうが人前は避ける。

 まず正座もしくは盤座して姿勢を正し、呼吸を整え、心気を鎮める。修練前に太めの糸を用意し、正式には白色の絹糸を用意するが、なかなか求めがたいので、木綿糸(タコイト)を代用しても良い。そしてこの糸結びの方を行う。

 この糸をマムスビの順に巻いていくのであり、結び目が出来る。此の時キッと心を結び目に凝らして「ヒト」と唱えて結ぶ。以下この順序の繰り返しで「フタ」「ミ」「ヨ」「イッ」「ムュ」「ナナ」「ヤ」「ココノ」「タリ」と計十回(十唱)結んで終わる。つまり結び目が十個出来るわけである。

 「結び」はタカミムスビ、カミムスビのムスビで、深遠な宇宙の理法であり、宇内根元の神力である。皇室より伊勢神宮に伝承された斎宮法には紙を「折り、たたみ、結ぶ修法」で霊感を得、神霊に通ずる神法の存したことはかつて「神仙道」誌上にても言及したが、本法の関連に就いては後日を期したい。

竹川註

 これは自身の修練のために行なう物であるので、どの位行なえばいいのかとか、その時間制はない。
 ただひたすらに同じ事を行なうのみであり、成果や結果を求めず。これは伝書を読んでもわからず、清水旧斎主にお目にかかった折り、聞いてようやくわかった次第であります。